どんな治療法があるの?
 
 変形性膝関節症の治療法は、一般に生活指導、理学療法、薬物療法の3つになりますが、症状が進行すると手術的治療が必要となります。
 
1.生活指導
  日常生活において、次のことに注意することが大切です。
体重を減らしましょう
肥満気味の人は標準体重まで体重を減らしましょう。
 一般的な標準体重の計算方法
 (あなたの身長ー100)×0.9=あなたの標準体重
 (標準体重の20%以内なら肥満の許容範囲内です)
 また、BMI(体格指数)といわれるものも良く使われます。
 
杖を使うようにしましょう
膝への負担を和らげるために、歩くときはできるだけ杖を使いましょう。
 
正座は避けましょう
正座のように膝を曲げる状態は膝に負担がかかりますので椅子にすわり膝に負担のかからないようにしましょう。トイレもできれば洋式トイレを使いましょう。
 
 
2.理学療法
膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋(太ももの筋肉)の筋力を鍛える訓練を中心に行います。
大腿四頭筋を鍛えることによって、膝がしっかり安定してきます。
ほかには、支柱付き膝のサポーターや足底装具の装着なども行います。
大腿四頭筋を鍛えるためには、下記の運動を1日20〜30分行うと良いでしょう。
 
大腿四頭筋の筋肉強化体操
  目的:太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛え、関節の負担を減らし、痛みを和らげる。
     この体操により膝の安定性が増し、痛みも和らぎます。
 
1.
膝を伸ばして仰向けに横たわります。
足首に重りをのせます。
(男性で3〜4kg、女性で2kg:辞書を乗せると良いでしょう)
 
2.
膝に力を入れて
足の指をそらします。
         
3.
膝を伸ばした状態で脚を10°ぐらい上げます。そのまま数秒間足を上げたままにします。  
4.
脚を下ろし休みます。
 
注意点
1. 大腿四頭筋の強化体操は、1日2セット・1セット20回程度行いましょう。
2. 無理をしないで、毎日こつこつとがんばりましょう。
3. 実施する際は、主治医と相談して行ってください。
 
3.薬物療法
  関節腔内注射薬
  関節腔内の注射療法としてはヒアルロン酸製剤があります。
 
ヒアルロン酸製剤
  ヒアルロン酸は、関節軟骨や関節液中に含まれている物質で、関節の潤滑や弾性に寄与しています。変形性膝関節症ではこのヒアルロン酸がうすまっています。
そこで膝関節内にヒアルロン酸製剤を注入することにより膝のすべりが良くなり、痛みが抑えられます。治療には時間がかかりますが、継続治療することで病気の進行を抑制することができます。
効果には個人差があり、効果のはっきりしないこともありますが、病気のあまり進行してない初期の段階で注射すると、その効果はより高いといわれています。
 
  外用薬
  鎮痛・抗炎症薬の貼付剤や軟膏剤がこれにあたります。
これら外用薬による治療は膝の痛みや腫れを抑える対症療法として使用されます。
   
  内服薬
  鎮痛・抗炎症薬の錠剤やカプセル剤などがこれにあたります。
これら内服薬による治療も膝の痛みや腫れを抑える対症療法として使用されます。
   
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