どんな治療法があるの?
 
 
1.薬物療法
  鎮痛・抗炎症薬
  肩の痛みを抑える対症療法で、患者さんの体質や症状に合わせて適切な薬を選びます。
 
・内服薬・・・錠剤、カプセル剤
・外用薬・・・貼付剤(湿布)、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤(液剤)
   
  注射薬
  注射薬としては、ヒアルロン酸製剤とステロイド薬があります。
 
ヒアルロン酸
  ヒアルロン酸は、関節軟骨や関節液中に含まれている物質で、関節の潤滑油の働きをしています。
ヒアルロン酸を注射することにより痛みを抑えるだけでなく、肩の滑りを良くし、こわばりを取り除きます。
ステロイド薬
  痛みなどの症状が著しいときは、短期間ステロイド剤を注射することがあります。しかし、ステロイド薬は、痛みを取ったり、炎症を抑えるのに効果的ですが、繰り返すと関節症状を悪化させる場合があり、長期の使用は好ましくありません。
   
 
2.理学療法
 
  温熱療法
  関節の動きが悪くなる時期には、患部を温める温熱療法を行うことがあります。
患部の保温は大切で、特に夜間の冷えには注意する必要があります。
   
 
3.運動療法
 
  慢性期には、 肩の痛みをとり、肩のスムーズな動きを取り戻すために運動療法が行われます。
ここでは、気軽にできる肩関節周囲炎の治療体操を紹介します。
次の注意を守りながら、治療・体操を行いましょう。
   
 
注意点
1. 痛みがあるうちは安静にすることが大事で、無理を して運動しない。
2. 無理をせず、ゆっくりと運動することが大切です。
3. 1日1〜2回、ひとつの体操を10回位行います。
4. 入浴後など、肩をあたためてから行うと効果的です。
5. 実施する際は、主治医と相談して行ってください。
 
アイロン体操(1kgほどのダンベルでも可。)
1. 肩が痛い方の手にアイロンを持ち、痛くない方の手で体を支えます。
2. ゆっくり左右に振ります。
3. 同様に,ゆっくり前後に振ります
 
ひも体操
1. いすに座り、タオルを肩幅に握ります。タオルを頭の上に上げ、体を伸ばします。
2. タオルを頭の上に上げたまま、頭と体を左右に曲げます。
3. タオルを胸の高さに持ち、手を左右に振りながら、その手を目で追います。
タオルの代わりに1メートルぐらいの棒を使って行う方法もありますので、どちらかやりやすい方法で行うと良いでしょう。
 
壁押し体操
1. 痛い方の手を壁にあてます。
2. 壁を5秒間押し、5秒間力を抜きます
3. 壁に背を向けて立ち、肩が痛い方の肘で壁を5秒間押し、5秒間力を抜きます。
 
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